2023年 第1回川崎市議会定例会(3月議会)詳報・その1
第1回川崎市議会定例会(3月議会)/予算審査特別委員会で、おおば裕子議員が行った質問は、次の通りです。
1:会計年度任用職員について
私は、はじめに、会計年度任用職員について、川崎市総合自治会館跡地等の事業について、ギャンブル依存症支援について一問一答で伺っていきます。
1、会計年度任用職員について伺います。
質問① おおば
はじめに女性職員の現状についてです。
川崎市の会計年度任用職員の直近の職員数、全体の職員のうち女性の比率と人数を伺います。その内、フルタイム勤務、月額勤務、時間額勤務、日額勤務の各人数と女性の割合を伺います。
健康福祉局長 答弁①
会計年度任用職員についての御質問でございますが、
令和4年4月1日時点の非常勤講師を除く職員数は、 3,794人、うち女性職員は2,904人、女性割合は76.5%となっております。勤務形態別では、フルタイム勤務、264人、うち女性職員191人、72.3%、パートタイムの月額勤務、2,053人、うち女性職員 1,431人、69.7%、 パートタイムの時間額勤務、1,446人、うち女性職員 1,262人、87.3 %、パートタイム日額勤務、31人、うち女性職員20人、64.5%でございます。
質問② おおば
女性の多い所管局について、伺います。
健康福祉局長 答弁②
会計年度任用職員についての御質問でございますが、
女性職員数は、教育委員会事務局が651人で最も多く、次いで病院局、454人、こども未来局、403人、健康福祉局、183人となっております。
ディスプレイお願いします。

質問③ おおば
会計年度任用職員は全体で3794人そのうち女性職員は76.5%と約8割を占めています。会計年度任用職員を局別でみると一番多いのが教育委員会事務局で651人(75.5%)、次に病院局が454人(81.2%)、こども未来局403人(91.2%)、健康福祉局が183人(75%)7つの各区役所が全て三桁を超え合計894人、約8割から9割におよびます。フルタイム勤務があるのは病院局だけです。
女性が全体の76.5%を占めるこの現状についての見解を伺います。
健康福祉局長 答弁③
会計年度任用職員についての御質問でございますが、
募集・採用に当たりましては、地方公務員法第13条の平等取扱いの原則を踏まえ、年齢や性別にかかわりなく均等な機会を与える必要がございまして、本市におきましても、原則公募を経た上で、選考を行っており、その結果であると認識しているところでございます。
公募のとおり均等に選考しているだけと言った答弁で、こちらが意図する答弁ではないのが残念ですが、数字でも明らかなように、会計年度職員の多くの女性が、正規職員と同じ公務員として専門的・恒常的な公共サービスを担っています。その多くを病院局や子ども未来局、健康福祉局などケア労働、人と子どもにかかわる職種が多いというのが本市でも明確です。
質問④ おおば
そこで専門資格をもつ女性が働く職場の賃金についてです。
近隣の自治体との賃金を比べてみました。例えば本市の栄養士・保健師・看護師の場合、本市は、行政職給料(Cランク)、週4日勤務で17万1280円、週5日勤務で22万8868円です。品川区の広報には、週5日以内勤務月額28万6320円~29万6,280円と、約7万円から10万円以上本市よりも高くなっています。目黒区の保育士では、週4日勤務で月額19万6,128円に対し、本市は16万82円と目黒区の方が約3万6000円高くなっています。また、横浜市の新年度採用の特別支援学校医療的ケア看護師の給料も、本市より約6万3千円高くなっています。もちろん、条件や内容などの違いもあり、各自治体の基準を同列に比較することはできませんが、同じ資格をもちなら、賃金にこれだけ差が生じることについては、どう考えるのか。近隣自治体の現状も調査し、同水準に賃金に引上げるよう検討すべきでないですか。伺います。
健康福祉局長 答弁④
会計年度任用職員の報酬水準についての御質問でございますが、
具体的な額の決定につきましては、条例に基づき、類似する職務に従事する常勤の職員に適用される給料表を準用し、職務の内容や責任、職務遂行上必要となる知識、技術等を考慮するため、職務内容に応じて定めたランク表により、決定しておりますので、適正な給与水準となっているものと認識しているところでございます。
条例に基づき、職務内容に応じて定めたランク表により適正な給与水準を行っているとの答弁でしたが、ランク表の職務については各自治体の裁量によって、分類が異なっていると聞いています。これだけ賃金に差が出ているのですから、近隣自治体など調査研究し、分類を見直しして給与を引き上げることを求めておきます。
自治労連が2022年5月末から9月まで行ったアンケート・2万2000超えた調査では、「賃金を上げてほしい」59.5%、「一時金がほしい、増やしてほしい」39.1%、毎年賃金を上げてほしい36.2%と要求があり切実です。このアンケートの中には、「単独で主たる生計を維持していると回答した」のが25%でした。(カット)本市は、会計年度任用職員を含め職員に対して、毎年度、「働き方に関するアンケート調査」を実施しているとのことですが、改めて多数を占める女性の会計年度任用職員に向けた生活実態調査を実施することを要望しておきます。
質問⑤ おおば
次に、任用の期限についてです。
会計年度任用職員は、再度の任用の回数が制限されることで、雇用の不安が広がっています。
(ディスプレイ)
月額勤務の会計年度任用職員は2053人です。
3年目の2020年度から会計年度任用職員制度がはじまりました。

国は、再任用は可能とする一方で、2回までと例示しています。本市は4回としていますが、この制度が導入される以前からの年数も含まれるので、今年3月末で丸5年目の人は雇止めとなります。
3年目以降継続している職員数639名で、4年目は230人、5年目は205人です。5割以上の職員が継続的な職務につき必要とされている人たちです。経験を積み重ねてきた職場です
205人の方はどうなるのか、伺います。再度、同じ職場で働くことができる保障はあるのか、伺います。
205人のうち、業務がなくなるという職種はあるのか、伺います
健康福祉局長 質問⑤
会計年度任用職員についての御質問でございますが、
任用期間につきましては、地方公務員法の規定により会計年度の範囲内で定めることとされており、任用時 には原則として公募による選芳が求められておりますが、 本市においては、勤務実績等に基づく能力実証により、 4回まで公募によらない再度の任用を行っております。再度の任用を4回行った場合には、改めて公募による選考を行っており、合格した場合には、改めて任用をするものとしております。 なお、5年目となるパートタイム月額の職員が任用されている職のうち、廃止されるものはございません。
質問⑥ おおば
恒常的な職で非正規を任用し続けるのであれば、同じ職場で働くことができるようにすべきです。再任用に回数は国のですが川崎市は4回としています。
病院局の場合、フルタイム勤務の職員264人の中には、この3月末丸5年目の方はいないとのことですが、しかし、5年目になれば雇止めをして、次は新たに公募してくださいというのは、あまりに冷たい対応です。
任用期限の上限撤廃と合わせ、再任用では本人の希望を前提に公募ではなく勤務実績によって継続的任用を保障すべきです。伺います。
健康福祉局長 質問⑥
会計年度任用職員についての御質問でございますが、
任用期間は、地方公務員法の規定により1会計年度を超えない範囲内で定めることとされており、任用時には、原則として公募による選考が求められております。例外である公募によらない再度の任用については、地方公務員法第13条の平等取扱いの原則を踏まえ、勤務実績等に基づく能力実証により、最大4回までとしているところでございますので、引き続き適切な制度運用に努めてまいります。
質問⑦ おおば
公務員の任期については、1963年の最高歳で「職員の任用を無期限のものとするのが法の建前であると解すべきである」と判決が出されています。国際労働期間(ILO)も「公務員の労働条件に関する専門家会議で「恒常的な職務を遂行することを要求される職員はできる限り正規のそれとして採用されなければならない」「臨時職員は、合理的な期間内に正規職員となる機会をあたえなければならない」と提言しています。
本来は正規職員がやるべきものを会計年度任用職員に任せているものが多くあります。例えば、各区役所などに配置され、専門性とともに相談者との信頼関係がつくることが求められる女性相談員や犯罪被害者等支援相談窓口が新に開設され社会福祉士などの資格をもつ相談員など、また少なくない保育士や図書館司書も会計年度任用職員です。
会計年度任用職員制度導入された丸3年がたとうとしていますが、制度導入後、職員は418名も増えました。2023年度この制度で非正規職員を増やし続けていくというのですか。伺います。
住民のくらしを支える役割を担うのが自治体職員です。職務に専念できるよう正規で働く職員を増やしいくべきです。伺います。
健康福祉局長 質問⑦
会計年度任用職員についての御質問でございますが、
会計年度任用職員制度は、地方公共団体における行政需要の多様化等に対応し、公務の能率的かつ適正な運営を推進することを目的に、地方公務員法及び地方自治法に規定された制度でございまして、その業務については、配属された部署内で、常勤職員が行うべき業務以外の指定された業務を担うものと整理しているところでございます。今後も、地域課題や市民ニーズが多様化、増大化する中で、限られた財源や人材を最大限、有効に活用しながら的確に対応するため、職務の内容や勤務形態等に応じた、適切な任用を行ってまいります。
意見要望です。
会計年度任用職員は自治体、公務公共業務になくてはならない役割を担っています。
管制ワーキングプアの実態が浮かびあがる中で、3日、政府は、会計年度職員の期末手当、令和6年度から勤勉手当ボーナスを拡充、勤勉手当の支給できるようにするとのことを決定したとのことです。地方議会に関する規定も見直し、あいまいだった役割や職務を明確化するとの方向です。 国として処遇改善を進める必要はもちろんありますが、制度にしばられることなく、川崎市として、恒常的な職務は、市の職員として正規雇用職員を増やしていくことを強く要望しておきます。