おおば裕子
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横浜みなとみらい保育園に訪れ、横浜市の大規模マンション建設にともなう認可保育園の整備・用地確保策について、話しを伺いました!(8月26日)

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横浜市では、大規模マンション建設に伴い、条例に基づき開発業者から用地を市に提供させ、市有地無償貸与型で、認可保育園が7箇所整備をされました。横浜みなとみらい保育園(2008年開所)は、そのうち一つです。川崎市での保育園整備に活かしたいと、施設見学と現地で横浜市こども青少年局から聞き取り調査をおこなってきました。

訪れた横浜みなとみらい保育園(平成20年開所)設置形態は、定員数120人(定員はオーバーしているとのことです)。36階建ての3階部分(住宅385戸)を整備し、屋上園庭(309㎡)が設置されていました。P1050058

横浜市では、市有地の無償化貸付による新設数が2002年度から2009年度までのべ63箇所整備をされていますが、「横浜市開発事業の調整等に関する条例」等により市へ譲渡された用地によるものがのべ7箇所です。

用地の取得について

7箇所いずれとも市が開発土地の部分を以前から所有(例、道路用地、駅前駐輪場など)していて、新たに用地取得のための費用はかかっていないとのことでした。しかし、無償対応ということではなく、市は床に置き換えて買い上げしています。

保育園整備をしてきた7箇所以外は市有地貸与した保育園56箇所の用地については、整備前は未利用地がほとんどです。その多くは大規模開発による公益用地や将来的な事業用地として先行取得した普通財産だったため、開発が進行するなかで、使用していなかった用地が、結果的に保育所の需要が高まり、整備の緊急性が求められ優先的に活用されました。

公有地を確保するための取り決めについて

500戸以上10000㎡以上の高層住宅(大規模マンション)の計画が出されたら、公益用地を出すというものです。義務ではありませんが、住宅の規模などを子ども青少年局に相談をするようにお願いし、開発業者もそれに応えているようです。200戸ぐらいの住宅でも情報提供がされると聞き、今まで、川崎市はどういう姿勢で望んできたのか、横浜市との対応の違いを感じました。

ニーズとして、土地でなくても床ででも可。駅前の土地を確保するというより再開発の中で整備を実施してきたとのことです。市が施設の内装整備費を支出し、施設が完成したら法人に明け渡し、賃貸料として法人から支払うというしくみをとっています。つまり公設民営の形式となります。

7箇所以外の用地は、市有地対応で公募にかけ、複数の法人から選び、保育園施設の整備は、事業者が行います。

園庭の確保について

P1050070 6月議会で、川崎市の認可保育園では、園庭がないためにプール遊びができない園について実態をとりあげた後だけに、関心をもって聞きました。

横浜市民間保育所設置認可等要綱には、最低限の園庭の規模基準、プール遊びについて考え方が示されていました。

屋外遊戯場(園庭)・・「近くに公園・広場・寺社境内等で代えることができても、専用の屋外遊戯場を基準面積の1/2以上、または、プール遊び等のできる場所を確保すること」「プール遊び等ができる場所が当該保育園の近隣地、バルコニー、屋上等に確保されているとの用件を満たすものとする」「プール遊び等ができる場所の広さは30㎡を目安とする」するなど基準を示すとともに、野外活動に関する計画書を作成することも示されていました。P1050071

川崎市は、認可保育園の園庭状況について、調べていませんでした。印象的だったのは、市子ども青少年局の方が、「プール遊び場の確保は、最低限必要でしょう」と言っていたことです。

民間用地確保のについて

横浜市では、全市的に保育所整備に適した用地を確保することが難しくなってきているため、市有地だけでなく国有地や県有地の有給も検討を対象としています。法人用地の確保については、土地の所有者と運営法人を結びつけるマッチング事業を平成22年度から始める。

民間保育所整備候補地公募(8/2~8/31)

概要・保育所運営事業者と20年以上の賃貸借契約を締結(個人または法人)

・原則として、市街化区域における500㎡以上の土地

・法人保育園の開所を望む法人と土地の活用を望む所有者とのマッチング

更地で、法人に施設を整備してもらい、対象な社会福祉法人のみで、土地・家賃を補助。 複数の法人から選択する。横浜市は、交渉の余地を残して、複数の法人を紹介して、その先は当人同士で交渉してもらうとのことでした。

定期借地・・借地料は賃貸料として、来年開所なら7年間、再来年開所なら6年間補助を実施。スタート時は、たいへんなので最初は運営費補助として、1㎡=3000円の半額1500円を基準にするというものです。月額70万円規模の補助になります。

公募をした直後は、 当初は℡がなりっぱなしで、問い合わせ数は3桁にもなるほどの、反響ぶりとのことでした。

現地視察をして、横浜市が待機児童の解消に向け、土地を確保し保育園整備を緊急にすすめる努力がされていることがよくわかり、勉強になりました。せひ、川崎市でも、活かしていきたいと思います。