おおば裕子
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2020年川崎市議会第1回定例会・予算審査特別委員会/詳細報告1

(1)はじめに、新型コロナウイルスの感染症にかかわる地域経済と雇用の安定策について、経済労働局長に伺います。

ウイルス感染症のイメージ写真

質問①

我が党の代表質問では、新型コロナウイルスの感染症の影響を踏まえ、国の雇用調整助成金の活用をについて質問しました。その後、事態は刻刻と変化し、雇用調整助成金の要件が緩和され、特例対象が拡大しています。現時点での、雇用調整助成金の事業内容について、伺います。

 制度の内容が数日で変わることや、複雑でわかりにくいという声があります。その時々で、市民にわかりやすいチラシなどが必要です。作成できないか、伺います。

答弁①

国の雇用調整助成金についての御質問でございますが、

このたびの新型コロナウイルス感染症の影響が広範囲にわたり、長期化することが懸念されることを踏まえ、特例措置の追加等が行われており、 3月6日時点におきましては、対象となる事業主の範囲が、当初の日中間の人の往来の急減の影響を受ける事業主を対象とするものから、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主に拡大し、イベントの自粛等の影響を受ける事業者なども幅広く対象とされているところでございます。

また、3月中旬からの追加の特例措置として、雇用保険の被保険期間の要件緩和などが実施される予定と伺っております。

こうした随時の制度変更等に対応するため、本市におきましては、国が作成したチラシ等を活用し、市内企業への広報に努めているところでございます。

 

質問②

市内大型店の飲食チェーン店で働くパートの方から相談がありました。新型コロナウイルスの影響で売り上げは激減し、50歳代から70歳代のパートさんのシフトがカットされているとのことです。洗い場では、8人のパートさんで回し、3月1日から15日までの営業が、22時までだったのが2時間短く20時までとなり、17時からのシフトは、2人から1人体制になりました。そのことによって6日の勤務の人は3日~4日、4日勤務の人は2日、3日勤務の人は1日減らされ、「収入が減ってしまい、生活していけない」「もう一件パート先を探さなければいけない」と、切羽詰まった声が寄せられました。国の助成は「こどものいる人が対象であり、それ以外の人にも助成をしてもらいたい」と、訴えられました。

ウイルス感染症被害のイメージ写真

今、多様な働き方をするパート・アルバイトの方など非正規の方が、休業を余儀なくされている事態です。フリーランスなど雇用保険に入っていない方なども大勢います。有給休暇を使いきった方も含め、このような方々の雇用を維持するために、雇用調整助成金は活用できないか。他に救済する支援がないのか合わせて、伺います。

「事業が成り立たない」と言われ、雇い止めになることも考えられます。対応と支援策について伺います。

答弁②

雇用についての御質問でございますが、

雇用調整助成金は、雇用保険料を財源とし、助成対象は、雇用保険適用事業所、支給対象者は、雇用保険被保険者と位置付けている国の制度でございます。

イベントの中止・延期等の影響を受けながら、こうした制度の対象とならないフリーランスの方や中小企業等への支援につきましては指定都市市長会として、国の責任において万全の措置を講ずるよう緊急要請,を行ったところでございます。

また、労働相談窓口において、個別の課題に応じた相談対応を行うとともに、金融課や中小企業溝口事務所、市中小企業サポートセンター等に新たに設置した、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う融資や経営に関する相談窓口において、適切に対応してまいりたいと存じます。

 

質問③

国への申し入れについてです。

「休業手当への助成」については、一律休校により仕事を休んだ保護者には、賃金を支払った企業に、一人当たり日額8330円を上限に10割を助成します。雇用調整助成金は、中小企業の場合、休ませた従業員に賃金の6割以上を支払う「休業手当」などに3分2の助成で、保護者の場合と賃金に違いがあります。

本市として、雇用調整助成金の水準を引き上げ、賃金の10割補償を国に求めるべきです。伺います。また、雇用保険に加入の期間要件が撤廃されました。雇用保険に加入していなくても、助成金が活用できるよう申し入れるべきですが、伺います。

答弁③

国への申入れについての御質問でございますが、

新型コロナウイルス感染症の影響の拡大等を踏まえ、自営業者、非正規雇用を含むすべての働く人や中小企業等に対する支援制度について、国の責任において万全の措置を講ずるとともに、地方自治体が推進する施策に必要な財政措置を講ずるよう指定都市市長会として、国に対し緊急要請を行ったところでございます。

 

質問④

雇用調整助成金制度の周知についてです。

こうした助成金があることを知らない事業所や従業員は圧倒的ではないでしょうか。雇用形態もバラバラで、自分が該当しているかどうかもわからず、不安を感じている方は大勢います。そのためにも、新型コロナウイルス対策にかかわる緊急の労働相談窓口の実施が求められているのではないでしょうか。感染拡大との関係で、街頭労働相談を中止したとのことですが、濃厚接触にならないよう、屋外の広い場所で、マスクの着用や消毒液を用意して、万全の注意をはらって実施するなど、再度検討できないのか。伺います。

また、各区役所やキャリアサポートかわさきなどに緊急相談窓口を開設することについても、伺います。

答弁④

雇用調整助成金の周知についての御質問でございます

街頭労働相談につきましては、 3月の開催を中止したところでございますが、引き続き市内2カ所での労働相談窓口を運営し、働く方の個別の課題への相談対応や雇用調整助成金の周知を行うとともに、就職活動を支援するキャリアサポートかわさきの窓口においても、助成金の御案内を開始したところでございます。

併せて、金融課や中小企業溝口事務所、市中小企業サポートセンターでの新型コロナウイルス感染症に関する経営相談窓口においても、助成制度の御案内を積極的に行うなど、広報に努めているところでございます。

今後とも、経営や雇用に関する各種窓口を有効に活用するなど、支援制度の活用促進に向けた効果的な情報発信を図ってまいりたいと存じます。

 

質問⑤

 次に中小企業の事業主への支援についてです。 

中原区のお花屋さんから悲痛な訴えがありました。「この時期、季節がら花束などの予約が一番多い。しかし、この新型コロナウイルスの影響で、学校の卒業式やコーラスグループのイベントが中止になり予約がキャンセルとなった。この時期にキャンセルが続けば、花屋は続けられないと」のことでした。

事業主に対して、事業継続ができるよう災害対策資金があるとのことですが、こうした花屋さんのような個人事業主に活用できるのか、伺います。「どうせ、貸してくれない」と、思っている事業主もたくさんいます。貸し渋りがおこらないように金融機関に対して行政として申し入れをすべきです、伺います。

また、個店をはじめ、音楽家や劇団員といったフリーランスは、政府の要請による講演・イベントの中止で収入がたたれたわけです。貸付ではなく、損失補填を国に求めると同時に、合わせて、国の不足分などについては、本市として補助金など検討すべきと思いますが、伺います。

川崎市として、地域経済に大きく影響する事態であることから、他団体と連携しながら、事業所や商店など、町場を歩いて制度の周知をはかるとともに実態を把握し、新たな施策につなげるべきです。伺います。

答弁⑤

中小企業の事業主への支援についての御質問でございますが、

この度の新型コロナウイルス感染症の影響に伴う災害対策資金につきましては、融資限度額を8千万円から2億8千万円に拡充し、融資利率を年1.7%から融資期間により0.1%から0.8%の幅で引下げを行うとともに、信用保証料率を市が全額補助し、市内個人事業主をはじめとする中小企業等を対象に幅広く対応しているところでございます。

金融機関には、拡充を行った融資制度の説明を行うとともに、中小企業等の資金繰りが円滑に行われるよう対応してまいりました。

また、指定都市市長会を通じて、中小企業等への影響に対する支援制度などについて、必要な措置等を講ずることを国に要請じたところでございます。引き続き、国等の支援策につきましては、本市中小企業等がそれぞれの課題に即した活用ができるものについて、国の動向を注視し、適切な機会を捉えた周知に努めてまいります。

 

意見要望です。

日々、国の方針が変わり、市も対応に苦労されていると思いますが、国まちにせず、市としてやることたくさんあるはずです。市民の多くは、自分が国の制度など、活用できるのかどうか、わかないという人達がほとんどです。市として直接、町場を歩き、個人事業主など深刻な実態を肌身で感じて、施策につなげるべきことを求めます。日々変わる制度内容をホームページなどで更新するなど周知を徹底して、該当者が制度を知らなかったということがないよう対応をすることを要望します。


以上、新型コロナウイルスの感染症にかかわる地域経済と雇用の安定策についてです。

続きは、中原区の待機児童解消と保育士確保策についてです。

*記事中の写真は、イメージです。本文の内容とは関係ありません。