おおば裕子
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住民の要望にやっと応じて開催した『(仮称)プラウド元住吉Ⅲ計画』の説明会に参加しました。(11月1日)

CIMG6890「(仮称)プラウド元住吉Ⅲ 計画変更に伴う説明会」が国際交流センターで行われ、私も参加しました。

(仮称)プラウド元住吉Ⅲ計画(野村不動産)は、三菱ふそうトラック・バス(株)社宅(井田三舞町)の跡地に、面積1,165,786㎡、総戸数298戸という大規模マンション計画です。この計画に対して、地球環境及び地域住民を無視した事業者本位の計画で企業の社会的責任(CSR)の観点からも問題があると地域の有志が立ち上がり、「(仮称)元住吉Ⅲ計画」について考える地域住民の会が結成。市議会においても請願が出され、8月26日に、まちづくり委員会で審査がされました。請願の要旨は、①計画地を取り囲む形で歩道を設置すること。②計画地南側アプローチプロムナード部分へ、宅配便業者等車両用の一時駐車スペースを設置させること。③緑化基金対応に関する条例改正を回避する駆け込み申請を認めず、条例どおり事業区域面積の6%以上の面積の提供公園を整備させること、というものです。各議員から「居住者安全対策にも欠如」「地域の配慮がされていない」まるで「要塞」など、地域の状況や企業の社会的責任を問う質問や指摘がされるなど、請願の内容については概ね前向きな「継続」として取扱いがされました。CIMG7132

その後、環境アセスメントにおいて、地域のみなさんから意見書があげられ、その意見に対して事業者が回答書を作成し、川崎市長が意見を含む「審査書」を事業者へ送付をしました。内容は●公園については、さらなる配慮として、周辺公園等への利用に対する負荷を手加減する観点から公開性のあるスペースを確保することが望まれる。●地域交通については、可能な限り、歩行者空間等を設置されることが望まれる。●日照については、比較的大きな日陰の影響を受ける住宅があることから影響の程度について住民等に説明することが、明記されています。しかし、事業者の野村不動産は、根本的な対策を講じることなく、事業性(利益確保)を理由にほぼ計画のまま事業をすすめようとしています。

1日に開かれた説明会は、まちづくり委員会審査直前に提出された計画の一部変更、まちづくり委員会での審査に関する事業者の見解、環境アセス審査書に関する事業者の見解について、事業者に再三、地域住民に説明することを要請してきましたが拒否し続け、2か月たってやっと開催にいたったものです。

説明会には、地域住民49名が参加、事業者側は20名近く来ていました。まず、計画変更について説明がされましたが、住民からは厳しい意見が続きます。8月の計画から何も変更がされていないということ、特に危険とされている南側の歩道について問題点、ピーク時の自転車の交通量も調査していないなど指摘がされ、野村不動産は、この説明会の中でも事業性(利益確保)があるので変更できないことが理由とされ、名だたる野村不動産の対応に住民からは不信が募るものでした。最後に、再度の説明会の約束を求めましたが、明言をさけ、検討すると述べるだけでした。事業者は、今度、説明会を実施する際は、工事説明についても行いたいと尋ねてもいないことまで発言して既成事実をつくろうとしていることに、住民から指摘もされるしまつです。

中原区内のマンション建設の問題では、私も住民からの相談で数件関わってきましたが、手法はどこでも同じです。住民が「納得」しなくても、あとは「個別で話し合いをさせてもらいます」と言って、話し合いの場を拒否をします。こうしたやり方には本当に憤りを感じます。事業者は法に適っているいるとしていますが、企業としての社会的責任をはたしていかなければなりません。川崎市としてもまちづくりの在り方そのものが問われています。